ブログ

45才からの脳内革命⑦〜ラストは「泣いてみる」〜

こんにちは

パーソナルコーチの福井明子(あっこ)です。

いよいよ「45才からの脳内革命」シリーズも最終回となりました。

これまで読んでいただいてありがとうございました。

何かやってみたことあるでしょうか?

いつまでも若々しく柔軟に

毎日を楽しく生きること。

そのために少しやってこなかったことをやってみましょう!

新しい視点を持って、自分を周りを再発見しましょう!

ということで最後のご提案です。

……泣いてみませんか?

涙を流せたら 許せたら

最終回で「泣いてみる」を持ってきたのは、

この行動が、オトナの私たちに一番難しいことかと思ったからです。

あなたは、泣くことについて、

どんな風に捉えますか?

それは弱さを見せることだったり、

悲しみを表現することだったり、

何か避けたいことではないでしょうか?

なるべく「笑っていたい」

またはなるべく「平然とした」感じでいた方が、

人として、

オトナとして、

正しい方なのでは?と。

もう子どもじゃないんですし。

うまくいかないからって泣きませんし。

負けたからって悔し涙、流しませんし。

苦しいなんて言えないし。

泣いたからって事態が変わるわけじゃない。

どうせ明日もこうなんだし。

強くならなきゃ

やってらんないんだよ、この人生。

うん、お答えしましょう。

泣くことは強いことだと。

知ってますか?

私はこれはすごいことだと思うんです。

お母さんがあなたを産むとき、

痛さに泣きながら、産んだんですよね。

あなたをどうしても世の中に出すため、

りきんで、りきんで、産んだんです。

あなたもそうです。

この世に出てくるために産道を通って出てきたら、

まず、泣いたんですよ。

それはとてもパワフルなんです。

生命を表してる動きなんですよ。

人が死んだ時もそう。

泣くんですよ、大声で。

もう会えないことに、

もう2度とあの人に会えないことに。

そしてあなたは、

死んでしまった人への愛を表現するのです。

それは普通のことで自然です。

何があなたを止めているんでしょうか?

記憶の中の幸せな風景

そうね、具体的にお話しすることとして、

ちょっと恥ずかしいですが、

こんな話を選びました。

涙が喜びを表している体験です。

今でも覚えている、私が19の時の恋です。

その頃、神戸の卸売市場で働いていました。

S商店は雑貨屋で父の得意先でした。

私はそこで平日8時間、

販売員として働いていました。

そこから自転車で駅まで行って、

阪急電車に乗り、

山の中腹にある、

夜間の大学に通っていました。

毎日一生懸命でした。

労働はそれなりにきつかったし、

通勤通学もきつかったし、

時はバブルの時代。

女子学生たちが、

ご両親にブランド物のバックを買ってもらって、

海外旅行にも毎年行けるような時代に、

父の商売は傾いてきて、

ウチは貧乏で欲しいものは買えない。

いや「欲しい」とも思わない。

量販店で買った安いTシャツとジーンズ。

夜学も特に楽しいわけではなく、、、

家に帰れば酔っぱらった父が母に怒鳴っているし、

高校生の弟たちも生気がなく、

明るい将来なんて見えない。

そんな時好きな人ができたんです。

その人だけが救いでした。

その人の名前は半年かけて聞いたんですが、

今でも大好きな名前です。

「つよしさん」と言います。

漢字は知らないんですが、

とても好きな名前です。

つよしさんは、

原付のバイクに乗って、

ランチタイムに卸売市場を走り回って、

木製の「オカモチ」を肩にかけ、

彼の勤務先の食堂からお弁当を運んでいました。

同い年なのかな、

ちょっとだけ上かもしれません。

卸売市場の中はとても広くて、

私の働いている商店がある棟から、

駐車場をはさんで向こう側に、

魚市場と野菜市場がある。

彼の姿はお昼の12時前後に、

私がいる商店の目の前を、

左の奥から

ブーーーッと走って、

向こう側の市場へと消えていきます。

そしてまたブーーーーッと現れては、

食堂のある左側の方へ消えていく。

私は商店の1つだけあるテーブルで、

椅子に座って、

その姿を追うのが日課でした。

******

1年近く経って私は、

その商店を辞める決心をしました。

理由はいろいろあったんですが、

もう少し自由に働きたかった。

父の得意先ではなく、

ということだったと思います。

折しも2月のバレンタインデーがやってきます。

14日にチョコを渡して、

15日に辞めようと決めました。

私はつよしさんが好きでした。

でも私はきっと、つよしさんには似合わない。

彼は私にはもったいない。

こんな不器用でブスな私には釣り合わない。

大好きだからこそ私じゃない。

チョコは三宮のデパートで買いました。

お昼過ぎになって、

バイト先の店主に断って15分だけ休憩を余分にもらいました。

初めてその食堂の裏口に行き、

ドアをノックしてみました。

私はお気に入りの黄色のジャンパーを着て、

ピンクの口紅をつけて、

神妙に待ちました。

店長さんが出てきたので、

あわてて、「あ、あの……」と下を向くと、

「あ、待ってて」と店長は引っ込んで、

つよしさんが姿を現しました。

「これ」

とチョコの入った包み紙を無造作に渡して、

何か言われる前に走って逃げました。

それだけのこと。

私の中で「それ」は終わりました。

ところが勤務が終わって自転車に乗り、

駅に向かう大通りの角で信号待ちをしていると、

上から「おーい」と声がします。

見上げると、

市場の3階にある立体駐車場へ登る道路、

つよしさんが壁越しに手を振っています。

「ありがとう!」

え?

しばらくして私は「うん」と頷きました。

そして彼は、壁際から引いて、

バイクに乗って立ち去りました。

私は自転車に乗りながら、

夢を見ているようでした。

何が起こったか分かりませんでした。

******

あれから30数年経ちます。

思い出すたびに

つよしさんは、

いまでも立体駐車場からしっかりと手を振って、

私にありがとうと言ってくれます。

私は彼を見上げるたび嬉しくて涙が出ます。

彼と出会えたこと、

あの19歳のあの1年、

淡い気持ち

自信のなさ

若さと不安定さ

全部があの一瞬に凝縮して、

私を泣かせてくれます。

私にはもう会えない人が沢山いて、

その人たちを思い出し、

いろんな涙を流せることが残されているんだ。

そう思います。

もし心が閉ざされてしまって、

感じなくなっているなら、

「思い出に泣くこと」を自分にプレゼントしてみてください。

心を震わしてみて。

長い長い道のりを歩んできました。

過去を今一度、

大事にして味わってみませんか?

そして泣き終わった時、

あなたの中で何かが終わり何かが始まります。

これも「試してみて」くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ではまた次回。

あっこ